涙ドロップス 〜切なさを波に乗せて〜

 


二人共、すぐに前に出られない。


2年3年の先輩達が、前方を遮っているから。



走者が一塊の状態で、学校の塀を曲がり、見えなくなった。



ドキドキしながら、校門前の同じ場所で待っている。



数分して、

「戻って来た!」

と誰かが声を上げた。



歓声の中、学校を一周して戻った先頭集団は、

2、3年の先輩5人と、
上條君と夕凪。



7人の塊で、カーブを曲がって姿を現した。



「すっげ、速えー!」


「全員運動部なのに、金髪やるじゃん!」



私の近くで、そんな会話が聞こえる。



夕凪は速いよ。

小学1年生から毎日海に入り、鍛えている。



サーフィンは全身の筋肉を、バランス良く使うスポーツ。

そう父が言っていた。



「貝原君… 綺麗だね…」


後ろに立つクラス女子の呟きも聞こえた。



私もそう思う。


夕凪はサーフィンだけじゃなく、
走る姿も綺麗だ…