上條君が鼻で笑った。
さっきまで気を抜いていたのに、
夕凪が来た途端に、やる気をみなぎらせている。
私は…
色んな気持ちの中にいた。
夕凪が体育祭に参加してくれるのは、嬉しい。
夕凪が真面目に走れば、上位に食い込むだろう。
きっとクラスメイト達は夕凪を見直して、友達も増えるかも知れない。
夕凪の良さを理解して貰えると期待する気持ち。
それと同時に、ハラハラしてしまうのも事実。
夕凪は私を意識しなくても、
上條君は私を賭けるような気持ちで、勝負するのだろう。
そして…
クラスメイト達も…
私の後ろは賑やかだ。
こんな会話が飛び交っている。
「三角関係って噂、やっぱマジなんじゃね?」
「朝比奈さんて、何なの?
貝原と上條で、取り合ってるの?
この勝負、めっちゃ面白いじゃん!」
「どっち勝つかな?
私は上條君だと思う。サッカー部だし強いよね」
「貝原君、速いかもよ?
ミステリアスだよね〜
勝ったら、カッコイイかも!」
面白がるクラスメイト達と、
ハラハラする私。
その中で、スタートのピストルが鳴り響いた。


