カチカチと時計の音だけが室内に響く。 静かな空間。 だけど、嫌だと思わなかった。 この沈黙も不思議と嫌じゃない。 妙に心地よかった。 この空間に私は、安らぎを感じた。 「…四ノ宮くん、笑わないで…聞いてね」 「ん?」 「何か私…四ノ宮くんといると、自然と…落ち着くの…」 「嬉しい事、言ってくれるね」 四ノ宮くんは、そっと頬を摺り寄せた。 私はそれを静かに受け入れた。 穏やかに、時間は流れていった。