ただ、彼と一緒にいる事に私は心地よさを感じていた。
どんどん温かい日向に浸透していってる気がした。
でもやっぱり、現実は冷たい。
「河瀬さん、何でいっつも四ノ宮くんに付きまとってんのよ」
「そうよ。ブスのくせに…」
ある日の昼休み。
四ノ宮くんが先生に呼ばれたらしく、私が1人になった隙に数人の女子に呼び出された。
連れて来られたのは、人のいない体育倉庫。
「あんたみたいな女、彼には釣り合わないのよ!」
「てゆーか独り占めするなんて何様?」
「ドブスのくせに、マジでムカつく」
メイクが濃かったり、茶髪だったり。
いかにも、今時の女子だ。
「何とか言ったらどうなのよっ…!」
「っ……」
突き飛ばされ、その場に尻もちをついた。
「こないだまでぼっちだったくせに…生意気」
私の胸倉を乱暴に掴んだのは…同じクラスの上条さん。
けばいメイク。
茶色の髪の毛は綺麗に巻かれてる。
私の、苦手なタイプ。