いつも大勢の友達に囲まれてた彼。
でも私と付き合うようになってから、他の友達といる事がなくなった。
ずっと私のそばにいる。
「…ねぇ」
屋上でお昼を食べながら、オズオズと声をかけた。
「どうした?」
「無理、しなくていいからね…」
「…無理?」
「たまには友達とも…遊んだり、していいからね」
無理して私といるのかもしれない。
そんなの申し訳なさ過ぎる。
「……何言ってんの?友達なんて、どうでもいいけど?」
返ってきた返答は、予想に反したものだった。
「どうでも、いい…?」
「小春ちゃんが手に入ったから、友達はもういらない。なんとなーく一緒にいるだけだったから」
一緒にいて、あんなに楽しそうだったのに…。
彼にとって友達は、その程度なの…?
「小春ちゃん、あーん」
「えっ…あっ……」
口の中に押し込まれたのは、甘い卵焼き。
「僕が作ったんだ。どうかな?」
「すごく…おいしい…」
「本当!やった」
すごく…甘ったるい味がした。