「……どうして」


「ん?」




一体どうして、あなたは……。





「私に、優しいの……?」




誰も私になんて、見向きもしないのに。



こんな敬遠された存在の私を気にかける事、どうかしてる。






「好きだから。それ以外の理由なんてない」



ストレートに言われた言葉。







「好きな子を守りたいって思うのは、当たり前の事だもん……」



スッと彼の手が伸びてきて、私の額に触れた。




痣を隠してる前髪が掻き分けられ、彼は丁度痣になってる箇所にキスをした。






私は拒絶しなかった。



キスされた所は、魔法がかかったみたいに、熱かった。温かかった。