図書室に着いた途端に、
「はぁ……やっと、遠慮せずに…触れられる」
「え……!」
彼は後ろから、私を抱きしめてきた。
私はアタフタするしかなかった。
どうしたらいい…?
離れるべき?このままでいるべき?
男の人に抱きしめられるなんて……子供の頃、お父さんや兄に抱きしめられて以来。
「本当はずっとこうして、河瀬さんに…触れたかった」
「んっ……」
「あれ…?もしかして耳……弱い?」
悪戯っぽく、彼はわざと私の耳元で呟いた。
温かい吐息がぶつかって、くすぐったい……。
「…四ノ宮くん、人が来たら……」
「大丈夫。カギ、かけておいたから」
……さすが。
隙がない。
私を抱きしめる力は一向に緩む気配がなく、彼は離れようとしない。
「河瀬さん、大丈夫」
しばらくの沈黙の後、彼はポツリと呟いた。
「周りの目なんて、気にする事ない…。僕がいる…」
「四ノ宮くん……」
「何があっても、守るよ?河瀬さん……」
その言葉、信じても…大丈夫、なの?

