手に握られた包丁には、血がベッタリ。



私はこれで…彼を……。






「早く…逃げよう……」


「あぁ……」



翔くんの手を引いて、逃げようとした。








「っ……待てよっ…」



けど、
翔くんの腕が四ノ宮くんに掴まれた。




深い傷を負いながらも、四ノ宮くんは苦痛に顔を歪めているが、立ち上がっていた。






「離せ……離せよっ……!!」



ギュッと、強い力で翔くんの腕を掴み再びライターを点火させた。





「僕らの幸せを壊すお前なんか…燃やして、殺してやるっ!!死ねっ…!!」