翔くんは私に逃げろと言った。


でも…無理だよ。
翔くんを置いて逃げるなんて…できない。




こうしてる間に、ライターが点火された。


それが翔くんに近づいていく。




ライターの火が彼の髪の毛に微かに触れた。






「さっきまでの威勢はどこ行った?怖いだろ?もうすぐ死ぬんだから」


四ノ宮くんは、今の状況を楽しんでた。





ふと、私の目に映ったのは翔くんが持ってきた包丁。


ゆっくりそれを手に取った。