「あ、の……。ずっとこの体勢なのは……ちょっと……」 彼はなかなか、私から離れてくれない。 馬乗りのまま。 これじゃあ私は、 まな板の上の鯉と言っても過言ではない。 「どうせなら、お揃いにしたくない?」 「えっ…。な、何を……?」 「ほら、僕の背中には小春ちゃんが刺した傷があるじゃん。だから……」 ナイフが、スッと首筋へ移動した。 「小春ちゃんの背中にも、僕と同じ傷をつけてあげようか」