「勘違いしてない?」


「え……」



頬にヒヤッとした感覚が。
ナイフが頬に触れた。





「僕がキミを殺す、とでも思ってるの?」


「……」


「そんなわけないじゃん。唯一の生き甲斐の小春ちゃんを殺すなんて、あり得ない」




フッと、彼は笑った。


私……殺されないの……?







「殺さない、絶対に。ごめんね?怖い思いさせちゃったみたいで……」



優しい声。


殺されない、とわかっても。
何故か安心感が湧かない。



それにナイフも、さっきから頬に当てられたまま。