「…っ……」 翔くんは苦しそうにもがきながら、四ノ宮くんの手を引っ掻いた。 けど彼の手はびくともしない。 「止めて……。お願いっ!!もう止めてよっ……!!」 私は叫んだ。 けど私の叫びは、届かない。 どうする事もできず…後ずさりをした。 その時、足に何かが当たった。 足元にあったのは包丁。 さっき翔くんを刺した物……。 私はそれを、手に取った。