「四ノ宮くんっ……!! 」
彼に、思わず抱きついた。
食い止めたかった。
春井くんに危害が及ぶのを。
「本当に春井くんの言う通り……」
「……行くよ」
四ノ宮くんは私の手を取り、スタスタと歩き出した。
「ねぇ…本当に、何でもないの……。私が絡まれてるのを助けてくれて…」
嘘をついた。
助けてくれた、と言えば、少なからず納得はしてくれるはず。
「誰?小春ちゃんに絡んできた奴は」
「え……誰だった、かな……。ごめんね、顔…よく見てない」
「ふーん……」
チャイムが鳴った。
授業が始まる。
「あの…教室に……」
「小春ちゃん」
私の肩を掴んで、壁にドンッと私の体をやや乱暴に押し付けた。