愛情がどういうモノか。
覚えてない。
とっくに忘れてしまった。
兄にずっと鬱陶しがられ、常に邪魔な疫病神として扱われてきた。
だから私の心はとっくに荒んでる。
「河瀬……泣くなよ」
春井くんの慌てた声がする。
「っ…ごめんっ……」
「河瀬……」
さっさと止めたいはずなのに、ダメだ。
涙、溢れて止まらない。
止まらなくなっちゃった。
私はただ、嬉しかった。
こんな私を……。
勉強しか取り柄のない私を……。
彼は、好きになってくれた。
私を必要としてくれた。
それがただ単に嬉しくて、私は生きててもいいんだって思えたくらい……。

