手を引かれ、たどり着いたのは……。



「…ここ」


「ここが僕の家だよ」



彼の家は、まさに豪邸だった。
漫画やドラマに出てくるような。
大きなお城みたいな家。



やっぱり彼は違う。
私とは住む世界が全然違う。





「さぁ、入って。たいしたおもてなしはできないけど」



彼は手を引っ張り、私を家の中へ。




「ちょっとそこで待ってて。タオル持ってくるから」


彼は走って、タオルを取りに。


玄関に1人残された私は、キョロキョロと周りを見渡した。





「お待たせ」


タオルを持って戻ってきた彼は、



「靴を脱いで。そこに座って」


靴を脱いで、言われた所に腰を下ろすと、




「ちょっと…、四ノ宮くん?それくらい自分で」



彼は丁寧に私の足を拭き始めた。






「よし、綺麗になった。手当ては部屋でしようか」


ニコッと微笑む彼は、まるで王子様のように見えた。




「僕の部屋は2階だよ。おいで」



彼は私をお姫様のようにエスコートし、2階へ。




階段は螺旋階段。
床は大理石。




凡人の私が来るトコじゃない……。