「正直…帰りたいって思った事は、ないよ…」
兄がいる家には、帰りたくない。
これが本音。
たった1人の家族でも、できれば関わりたくない。
「そっか。それを聞いて、安心した。じゃあずっとここにいて。小春ちゃん」
「…ずっと?」
「うん、そう。ずっとずーっと……僕のそばにいて」
雰囲気に流されるまま、私は「うん」と言ってしまった。
「悩んでるなら、すぐ相談してね」
「…うん。ありがとう……」
四ノ宮くんの束縛……みたいな行為が強くなったから、少し悩んでる、なんて…。
絶対言えない。
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