私の目の前にいるのは、本当に四ノ宮くんなんだろうか。




別人みたい。
優しい彼の面影が、ない。






「他の男と、話さないでくれる?後、女子とも話さないでよ。僕とだけ話して」




彼の眼差しは、獲物を捕らえる獣。



私は身動きが取れなくて、声が出なくて、彼を見つめる事しかできなかった。






ふと、脳裏にあの日の彼の姿が浮かんだ。





夜、台所で血まみれの包丁を手にし、エプロンも手袋も血だらけ。



切断された人間の足。



彼の…不気味な笑み……。





思い出しただけで、吐き気がする。