「変な事言わないで……」
「あ、冗談じゃなくて本気で言ってるつもりだよ?一応」
一応って何よ……。
きっと馬鹿にしてるんだ。
憧れてたのに……。
もしかしたら四ノ宮くんって、意外と軽い人だったのかも。
「もうっ…馬鹿にしないでよっ…」
私がそう叫んだ時、サァっと開いた窓から勢いよく風が吹いてきて、私の髪の毛を乱した。
「わっ…もう…」
窓閉めよう、と思って椅子から立ち上がった。
その時、
「えっ……」
唐突に四ノ宮くんに掴まれた腕。
「な、何…?」
「河瀬さん、それ…どうしたの?」
「えっ、それって……?」
何の事を言ってるんだろう?
「これの事だよ……」
四ノ宮くんの手が伸びてきたと思ったら、私の額に触れた。
「この痣……」
「っ……」
反射的に、額に触れた手を払いのけた。
見られた……。
額の痣を、四ノ宮くんに…。