「ブーブーブー」



突如、ポケットに仕舞ってあった携帯電話のマナーモードが鳴る。

誰からだろ・・・。



机に隠しながら携帯電話を開く。

どうやらメールみたいだ。



【送り主:榊 輝流
  題名:無題

 家、来て。
 
 会いたいって
 言っている人が
 いるから】



会いたいって言っているのが、榊くんの親なの?

私は【わかった】だけ返信した。



「わかりました・・・。
放課後、行ってきます」

「よろしく頼むぞ、玉井」






そんなこんなで6時間目までの授業が終了した。

帰りのホームルームを済ませると、担任からプリントと榊くんの住所を受け取った。

住所に書かれていた市は、やっぱり隣の市だ。







行ったことのない、初めての場所。

そこに私は1人で行く。



お姉ちゃんの力も借りずに。