手を離したところで、ゴンドラの扉が開いた。



「お帰りなさーい!」



不思議がる私と、暗い表情を浮かべる榊くんとは正反対のスタッフのお兄さんが、明るく出迎えてくれる。



「お客さんたち、カップル?」

「へ!?」



お兄さんはやけに明るい。

見た目からして、多分バイトのお兄さん。



「そ、そう見えるんですか?」



私たちはカップルでも恋人でもない。

・・・同じ意味か。

お兄さんが変なこと言うから、テンパっちゃったじゃない!




「見えるよー。
仲良さそうだねー」

「あ、ありがとうございます・・・」


仲良さそうと言われ、悪い気はしないので、一応お礼を。





お兄さんと別れて、再び遊園地を巡る。

しかし、殆ど乗りつくしてしまったし、沈黙が続く。




さっきのこと・・・

なんだったんだろう・・・?