でも、お姉ちゃんのお葬式の電話をしたときは、凄く哀しかった。

なぐさめてくれる、お姉ちゃんがいないもの。



「ごめんね、変な話して」



観覧車はもうすぐ、地上に到着する。

ロマンチックな場所であるはずの観覧車なのに。

暗い話をしてしまった。



「変じゃないよ。
むしろ俺は、聞けて良かったと思っている」

「・・・優しいのね」

「そぅ?」

「嬉しかったよ・・・。
ありがとうね」

「・・・郁美」



スッと立ち上がった榊くんは、私の横に手を伸ばし、後ろの窓に手を当てた。

これは・・・

噂に聞く・・・





壁ドン!?!?






「俺は、
そんなに優しくないよ」

「へ・・・」

「俺のこと、
そう簡単に信じない方が良いよ」

「な、何を言うんですか・・・?」

「そのままの意味」