「ところで、まだ着かないの?」

「もうすぐだよ」

「全然もうすぐじゃないじゃん」

「もうすぐだよ」



数十分後、到着した。


「郁美のもうすぐがアテにならないことを学んだよ」

「だってもうすぐなんだもん」



私はお墓の前にお花を飾った。

そして、手を合わせた。



久しぶり、お姉ちゃん。

実は今日、お姉ちゃんに紹介したい人がいるの。

私の彼氏だよ。

凄く優しくて、あったかい人。

お姉ちゃんも気に入ってくれると良いな・・・。




「どうぞ?」

「あ・・・うん」



緊張しているのか、声が少し震えている。



「えっと・・・。
初めまして、郁恵さん。
榊輝流と言います。
木へんに神様の神で榊。
輝いて流れるで輝流と読みます」


何故か漢字の説明までしているし。

面白い人だなぁ・・・。