奈々子さんに背中を押されながら、榊くんは恐る恐る瑛士さんに近づく。



「・・・瑛士」

「来るの遅いよ。
僕、待ちくたびれたんだけど?」

「・・・ごめん」

「謝るのは僕の方。
前にひどいこと言ってごめんね。

奈々子や輝流のお母さんに聞いた。
輝流だって苦しんでいたんだね」

「でも・・・俺は・・・・」

「自分を責めるなよ輝流。
僕にも罪はあったんだ」

「瑛士・・・」

「輝流、これからも僕と友達でいてくれるか?」

「・・・勿論!」



榊くんはニコッと満面の笑みを見せた。

それを見ていた私、ミリア、奈々子さんも笑いあった。






☆☆☆




「にしても驚いたよ。
いきなり目隠しされるなんてさ。
その上外された先に瑛士がいるなんて。

本当郁美は信じられないな」

「だって目隠しとかしなかったら、榊くん行かないって断っていたでしょう?」

「・・・ぐ」

「図星か」

「・・・まぁね」



それを見て、私たちは笑いあう。