スーッと空気を肺に吸い込んで、思いっきり吐き出す。 「かーーーいーーーせーーーーいーーー君ーーー!!」 両手をブンブンっと振りながら大声で海星君の名前を呼ぶ。 すると、海星君がピタリとその場で立ち止った。 あたしの声が海星君に届いたのかもしれない。 だけど、海星君はあたしの姿を探すことなく再び歩きはじめる。 あれ?やっぱり聞こえてなかったかな……? おかしいなぁ……。 よしっ!!もう一度!!