まだ真新しい制服を着ている男子高校生。


その制服に見覚えがあったあたしは、ふと首を傾げた。


あれれ。


あたしってば、何かすっごく大事なことを忘れているような……?


そもそも、何でこんなに走っていたんだっけ?


全速力で走っていたら、デブ猫ちゃんがいて……それで……――。


「……――あぁぁぁあ!!!そうだ、入学式!!!!!」


ハッと思いだして頭を抱える。


どうしよう……初日から遅刻なんてシャレにならない!!