おとなしくアタシに溺れなさい!

一瞬、時間が止まったかと思った。


アタシに、興味がないって、今、凪君そう言ったよね?


どんな男でも虜にしてきた。


顔と体さえあれば、簡単だった。


ちょっとだけほほ笑んでやれば、すぐについてきた。


100戦100勝。


そんな、アタシに…。


「ふ…っ」


「綾萌、落ち着いて!」


若菜が悲鳴に似た声で叫ぶ。


でも、もう遅い。


「ぶざけんなよ!!」


アタシは大声で怒鳴り、わざと大きな音を立てながら部屋を出たのだった。