おとなしくアタシに溺れなさい!

「女の子が頑張って話題ふってるんだから、もっとちゃんと返事くらいしなさいよ!」


合コン真っ最中で怒りはじめたアタシに、若菜が「ありえない」と、小さく呟いた。


イケメンを落とすためなら、猫を被ることくらいどうってことのないアタシ。


そのアタシの仮面が見事に外れたんだ。


びっくりして当然だと思う。


静かになる個室の中、凪君がようやくアタシを見た。


きっと、このとき初めてアタシの事をちゃんと見たのだろう、その目は少し戸惑ったように揺れていた。


「ごめん、俺興味なくて」


「興味…ない?」


「そう。君に興味なくて」