おとなしくアタシに溺れなさい!

やっぱり仕切っているのは可愛い系の子で、アタシはテーブルの端に置かれていたメニューを笑顔で手渡した。


その瞬間、指先が触れ合い、司会君は少し照れたように赤くなる。


か、かわいい…。


これは、思っていたよりなかなかの上物かも。


もちろん、性格が悪く見えないように、同じように女子たちにもメニューを渡してあげる。


「綾萌ちゃんだっけ? なんか気配りできるって感じだね」


ほら食いついた。


男って単純。


だけどそんなこと顔には出さず「そうかな?ありがとう」と、照れ笑い。


一方、アタシのテクニックを知っている若葉は冷たい表情。


そんな顔してると男に逃げられちゃうぞぉ?