おとなしくアタシに溺れなさい!

店員さんと近い位置だから、みんなの分まで注文したり、小皿に取り分けたり。


めんどくさくなったら、隣の若葉が気を利かせて手伝ってくれるし。


参加の男たちもみんな座って、全員集まったかと思ったけれど、アタシの前の席が1つ空いていることに気づいた。


「ねぇ、もう1人は?」


いつもよりワントーン高い声でたずねると、男たちは全員こちらを向き、あからさまに鼻の下を伸ばした。


「もう1人は数合わせなんだよ。だから、ちょっと遅れるって」


へぇ…。


ってことは、あんまり合コンとか好きじゃないタイプ?


「ね、待ってる間に自己紹介しようよ」


4人の中では比較的可愛いタイプの男が、まず口を開いた。


司会進行役ってところか。