結局、私はなかなか泣き止まなくて 結構な時間が経ってしまった。 上城君はそんな私に文句ひとつ言わず、ずっと頭を撫でてくれてて。 ......嬉しくて、温かかった。 「ごめんね、もう大丈夫だよ」 「ん、じゃあ行くか」 上城君は、また自転車にまたがり さっきよりゆっくり漕いでくれた。 上城君の大きい背中とたまに見える綺麗な横顔、漂ってくるいい香り。 なぜか、全てが愛しく感じた......。