そして…



がこんっ




「…2個しか取れなかった」


結局稲瀬は、3プレイ中…ぬいぐるみを2つも取ってくれた。




「いやいや!2個しかじゃなくて、2個もだよ!本当すごいね…ありがとう、稲瀬!1つ香穂ちゃんにあげてもいい?」


これはかなりのレアだし、香穂ちゃんも絶対喜ぶ♪





「俺の許可いる?」

「いるって!だって稲瀬が取ってくれたんだもん…あ!そだ。お金払うね」


確か500円…



「いらないから」

「あ、ちょっと…」


そう言って、先にスタスタと歩いていってしまう稲瀬。

私はすぐに、稲瀬を追いかける…




「さっきもジュースおごってくれたしさ…」

「いらないって。せっかくこの間、初給料もらったんだから、お前のために使わなきゃ意味ないだろ」

「えっ…」


心臓が飛び出そうなくらい、胸が高鳴った。


それって、どういう意味…?




「あ。これやろうぜ」

「!」


稲瀬が目を止めたのは…

アクションカーレースゲーム。




「…私絶対負ける自信ある(笑)」

「ハハ」


私と稲瀬は、ゲーム機に座る。



「これは私が出すから!稲瀬はそのままね!!財布とか出さない出よっ」

「はいはい」


めんどくさそうに頷く稲瀬。

私はふふっと笑った。



なんか自然とデート?じゃないけど、稲瀬と遊べてる…

ラブな展開はなさそうだけど、稲瀬と一緒にいられるだけで、楽しいし嬉しいな。





「…悠?」





その時、後ろから女子の声が…振り返ると…






私と稲瀬のいるゲーム機の後ろに、女の子らしい同い年くらいのかわいい人が立っていた。




「…愛美(まなみ)」


稲瀬はその女の子を見て、表情を曇らせた。




じーー…



!?

すると、その愛美という子にガン見されていることに気づく…





「…もしかして、悠の今カノ!?私、悠の前カノの愛美です!ヨロシクね♪」







…………稲瀬の前カノ?










ええええ!