空音を奏でる宙

今の僕の声は自分でも驚くほど怖いものだと思う。
怒りとは違う、もどかしさを感じた。
しかし、大家は駄々をこねる子供をあしらうかのような態度でこう言った。

「あなたには必要なものだからよ。」
「必要なんかじゃない!」

おもわず声を荒らげてしまう。
今の大家の目はさっきように迷いのない目だった。
今の僕にはそれが眩しすぎた。
「ともかく、悪いですけどこれは処分しておいてください。」
目を逸らしつつ言う。
大家はいたずらな笑みを浮かべる。
「嫌よ?」
「……っ!」
たった一言だがその一言は僕を痛感させるには十分すぎた。
唇を噛み締める。