1年後、エリンとレッドは赤い屋根の新居に住んでいた。

以前2人で借りていたところではなく、似たような一軒家に住んでいた。


そして同じ敷地内には何棟かの建物が建っていた。


「エリン、ちょっと本社まで出かけてくるよ。
あまり無理して出かけるなよ。

今が大切な時期なんだからよ!」


「うん、あのね、このデザインが新しいやつなの。
これを企画室に持って行って。」


「わかった。じゃあな~、あいしてるぜ!」


「レッドったら・・・」



「おうっし、ラング出かけるぞぉ!」


「待ってくれよ、僕も彼女と電話中だったんだから。」


「電話だったらあとでいいだろうが。」


「そんなぁ!僕ももう少ししたら、奥さんをここに呼び寄せるんだからねっ!」


「そうかそうか・・・呼べ、呼べ。
マルティ兄さんとこのガキたちもさっき母さんの焼いたケーキを食いにきてたしな。」


「にぎやかだね。ここは。」


「おう!エリンは大家族が好きだからなっ。
みんな同じ敷地内、大いに結構だ。」



大きな敷地にレッドの家族みんなで好きなタイプの家を建てて住んでいる。

マルティリオの家族も店と住まいを分けて、機能的な鉄筋コンクリート建てのミニマンションのような家を建てて住んでいた。

レッドの両親は木の香りがしてきそうな、落ち着いた木目いっぱいの家。

妹たちはその離れにあたる地に部屋を持っていた。


ラングリオはもうすぐ、結婚する予定で家を建築中だ。
できあがれば、青い屋根の家になるらしい。


そして、エリンはデザイン事務所という形をやめて、ドネリティの契約社員になった。

本人の要望で、家事育児に専念したいということだったが、新しいデザインはやはりエリンの知恵が必要というらしい。

最近は絵を描く道具だけを作業場と呼ぶ部屋に集めることにした。


レッドとラングはドネリティの社員にもどってレッドは営業で、ラングは秘書課でそれぞれにがんばっている。





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