その後、クリーブは匿名でハルビィの化粧品の容器のデザインは社内の人間ではないと証明した噂をたくさん流しだした。


レッドとラングもエリンが誘拐された事実と意識がもどったハンクのインタビューをマスコミに流すことにした。


「ハンク・・・協力ありがとう。
ひどいめにあったのに、意識をとりもどしていきなりこんな仕事をしてもらうなんて、申し訳ない。」


「いや、目が覚めたらエリンがいないような気はしていたんです。
だから余計に意識がもどるのが遅れたのかもしれない。

気がついたらラングリオが目の前にいたのは驚きだったけどね。」


「まだ、エリンはもどってきていないんです。
そして、いなくなるきっかけはあなたもからんでいたから・・・。」


「そうだね。まさか、ハルビィがそんなことを企てていたとはびっくりしたよ。
僕が仕事を断ってしまったから、彼女がこんなめにあってしまった。

守ることもできないまま、俺は殴られて気を失って・・・病院送りなんて・・・。」


「もうすぐ、僕の兄さんがエリンを助け出しますから、あなたは自分の傷を治すことだけを考えて。」


「兄さんってレッドって人？」


「知っていたの？」


「まぁね。俺の顔をすごく睨んでいたみたいだし・・・けっこう怖かったから。あははは。」


「ちょっとめんどくさい男なんで、すみません。」


「いいや、エリンだってなんか２人で言い合いしてるみたいだったけど、あんなに素直なエリンを見たのは彼のことだったからだなって思えてさ・・・。」


「すみません。」


「いや、俺は紹介してもらえてよかったと思ってるよ。
観覧車をリクエストしたのだって、日頃デザインを考えてばかりだったからゆったりとしたかったっていう理由だったけど、エリンは俺と乗りたかったわけじゃなかったんだろうからね。」


「とにかく、ハルビィの会社に打撃を与えます。
それで・・・申し訳ないですが、そのあとに・・・」


「社員の受け入れだね。かまわないよ。俺も協力させてもらうから。」


「お願いします。この調子なら、もうすぐ・・・いけそうです。」