同居人は女社長

レッドは誰もいない赤い屋根の家へともどってきていた。

部屋の中にある、小さ目の家具と食器をながめる・・・。



『ちっちゃいけれど、私の好きな形なの。
私はひとり暮らししたことがないから、自分のために自分でいろいろ選ぶなんてできなくて。

レッドならどんな家具が好き?

大きくないとダメ?
ゆったりしてるのはベッドだけにしてほしいの。
部屋もせまいし、椅子や物入れはなるべく小さなものがいいんじゃないかって思うのよ。
レッドには不自由かしら?

でも無理にかがめとか言ってるわけじゃないからいいよね。
ダイニングの椅子だって実用的なら小さ目のでいいわよね。ねぇ~~!レッドいいよね~』



「エリン・・・」


プルルルルルル・・・・


「あい、ラングどうした?」


「兄さん、大変なんだ!
会社に電話があって、エリンが何者かにさらわれた!」


「なんだ?あ、あいつはどうした?
エリンを守ってくれなかったのか?」


「ハンクは殴られて緊急入院した。」


「なんだってぇーーーー!すぐ、ドネリティまで行くから待ってろ!」


レッドはドネリティ本社へと出向いた。

タイラズ社長他リガオンたち役員が関係者へと連絡をとっていた。


「何か、何か手がかりはないんですか?」


「まだ、ハンクの意識がもどらないんだ。
だから状況説明もできないけれど、目撃者や倒れる前のハンクの話では男数人で囲まれたらしくて、ハンクはあっという間に男たちに殴られて倒されたそうだ。

そしてエリンも何か薬品みたいなものをかがされて、車で連れていかれたという情報だ。」


「薬で・・・そんな・・・うぉおおおおおお!」


「兄さん、落ち着いて!」


「俺が・・・あとをつけてでも様子を見ていれば・・・エリンだけでも助かったかもしれない。
つまらないことをいって、けんかしてしまったから。
もし、エリンが取り返しのつかないことになってしまっていたら・・・俺はどうしたらいいんだ。

薬で気を失わされて、男たちに好きなようにされていたら・・・俺はなんてわびればいいんだ。
嫌だ、そんなことになったら・・・そんなこと・・・。」


「兄さん!今は悪い想像して落ち込んでる場合じゃないんだ。
エリンを捜して助け出さないと。」


「あ、ああ・・・すまん。ラング・・・。」



レッドたちは遊園地からの男たちの足取りを追った。

ハンクが殴り倒されたのが遊園地の出口付近。

そこでの目撃者によると、ハンクを殴った男たちの服装は同じような黒いコートでわりと上質なものだったという証言で、黒幕のような金持ちの存在が裏に潜んでいるのではないかと思われた。