エリンはその日の仕事の整理をして、レッドと夕飯に出かけた。


「私ってもう女子会メンバーには呼ばれないくらいオバサンになっちゃったのかなぁ。」


「オバサンはないだろ?25だっていうのも言われなきゃわからないくらい若いぞ。
23でも十分すぎるくらいだ。」



「ぷっ!レッドに言われたら慰めどころか全部ギャグね。」


「はぁ・・・正直に言ったのに。
食事すませたら、遊園地でも行かないか?」



「レッド・・・もしかして、私寝言でもつぶやいてた?」


「いいや。ちょっとナナミヤからきいたんだ。
ナナミヤに観覧車に乗らないかって言ったんだってな。

ナナミヤのやつ、ボーイフレンドと出かける予定があったから断ってしまったって嘆いてたからさ。
なんか考え事でもあるんじゃないかとな・・・。

俺も最近、妹たちをどこにも連れていってなかったしな。」



「ありがとう、レッド。
私ね、集中して仕事をするとボ~っとしたくなるの。
でもひとりでは出たくなかったし、部屋にこもるのもみんなを心配させてしまうし。
それで観覧車だったら、景色をみながらゆったりできそうかなって。」


「OK、じゃあ行こうぜ。
観覧車。1周で落ち着かなけりゃ、何周でもつきあってやるよ。」


「ありがとう。
じゃ、案内お願いね。」


「よし、任せろって。」


2人はマルティオの店で夕食をさっさとすませると、車で20分ほどのところにある遊園地へとたどりついていた。


「けっこう大きいのね。
早速乗りましょう!」


2人は観覧車に3周乗って、少し外で休憩をとることにした。

「エリン、アイスクリーム食うか?」


「うん、ストロベリーがいいわ。」


「よし、待ってろ。買ってくる。」



エリンがベンチに座ってレッドを待っていると、観覧車に見たことのある顔を見つけた。


「あれ・・・今日のあの人だ!」


景色を眺めながらボ~としている。
まるで自分を見つめているような気持ちになった。


観覧車を降りた男は待っていたらしい2人の男たちといっしょに歩いていった。


そしてすぐにレッドがもどってきて、エリンはストロベリーアイスを食べることができた。

「やっぱり遊園地にはアイスクリームよね。」


「ぷっ!何をかわいいこと言ってるんだ?
バリバリの実業家とは思えないこと言ってるなぁ。」


「失礼ねっ!職業には関係なく、年齢にも関係なく、楽しめることなのよ。フン!」


「ああ、ごめん。エリン、悪かった・・・機嫌をなおしてもらえないかなぁ。
なっ・・・やっぱり女の子はニコニコ笑って家に帰したいしさぁ。」