そしてドネリティ社の社長室にたどりつくと差出人不明の荷物が届いていた。


「あれ?何の荷物かしら・・・?」


秘書をひとり呼んで、箱をあけてもらってエリンは大声をあげた。


「これは・・・消えた帳簿だわ!
それにたくさんの帳票類もある。

誰がこれを送りつけてきたのかしら・・・?」


そう考えた途端、部屋のドアがバン!とあけられて、周りにはスーツ姿の男たちが取り囲んでいた。


「警察ですが・・・先ほど電話がありましてね。
あなたがガオンティル社を合併したくないから帳簿を盗んだと。」


「いったい誰がそんなことを言ったんですか?
それに、この帳簿の中を見ればきっとわかりますが、不正な借金が多い会社と誰が合併したいと思いますか?」


「合併はしないでしょうなぁ。しかし、ガオンティル社の息の根をとめることはできる。
そうすればライバル会社は減る・・・ではありませんか?」


「そんなことしなくても、私は・・・。私の力で会社くらい経営できますわ。」


「まぁ詳しいことは、署でききますよ。」


「そんな・・・どうして・・・待って!」


「社長!・・・これは罠です。社長・・・!!」


「ミレール、ラングに伝えて。心配しないで・・・って。下宿先に伝えてって。」


「社長!・・・伝えます。なんとかがんばって、耐えてください。」




秘書のミレールが帳簿を受け取った秘書を確かめてみると、先月入ったばかりの秘書のティナだとわかった。
しかし、ティナの姿はどこにももうなかった。


「ティナがスパイだったんだわ。」


そして、ラングリオに伝え、ラングリオはすぐにエリンの保護を求めて警察に走ったが、取り調べ中といってラングリオは受け付けてもらえなかった。


この話はすぐにレッドの耳にも入り、レッドはすぐにラングリオと合流した。


「エリンが犯人なわけないだろ。
帳簿が出てきたのもよかったはずだったんだ。

そしたら不正がわかる。彼女はそのためにうちの経理で働いていたんだからな。
なのに、どうして犯人になってしまうんだ。

それにそんないいタイミングでどうして警察がやってくるんだ?
どう考えても仕組まれていたとしか思えない・・・。」