「うん。こっから出て行ったのは主治医の医師が転院されたからなんだけど、 その医師が病院は引退して、地元であるこっちに引っ込んだんだ」 「あー、あのおじいさん医師」 続けて思い出した。 儚の主治医の、いつもにこにこしている優しいおじいさん先生。 儚がよく懐いていた。 「武富(たけとみ)医師(せんせい)って言うんだけど、八十超えてんだよ」 「そんないってるのかー」 その年まで現役やっていたのか。