「滝篠、俺って話しやすい?」
「は? 何だいきなり」
「いいから。俺って話しやすいとか、そういう『何となく』ってある?」
「何となくって言ったって……まあ、変なことに拘らない点、未渡は話しやすいけど」
「アウト! 違うんだよなー、そういう定まった理由があるのは違うんだよ。
もっとこう漠然としてて、科学的じゃなくて、心理的で――感情論的な何かなんだよ。刹那にあるのは」
そういう、摑みようのない雲みたいな感じなんだ、俺の中での刹那は。
「……ならわかってるじゃないか」
滝篠の声が、いつもと変わらず落ち着いていて、いつもよりも緩やかだった気がした。



