白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】



「ほら、父親って式ではそんな服でしょ? 雅風のは執事だけど……」



「………そうなんか?」
 


知らなかった。



「滝篠」
 


ほいっと恭輔が壱星に、自分がしていた白いたネクタイを投げた。



学祭ということで、一組生徒も制服にプラスして普段より仮装気味。



恭輔は……ハロウィンですかね。



すごいよ。本場モノだよ。




「なんか違うと思ったら、新郎はネクタイしてなきゃだろ」
 



あー、五組の教室からそのまま来たから、格好もそのままだった。
 


壱星はネクタイを見たあと、「ありがとう」と言い、締めた。
 



恭輔が大きく手を広げる。