白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】



「写真?」



「愛璃」



「はいよ! 理波ちゃん。目ぇ閉じててね」
 


俺に応えた愛璃に言われるまま、理波ちゃんはぐるぐる回るのを止めた。
 



理波ちゃんの染められていないセミロングの黒髪に、純白のベールがかかる。



そして、華道部の面々が気合いを入れて作ってくれた花束。



ブーケ、ってやつを手に握らせる。



「目を開けていいよ」
 


理波ちゃんは素直に応じる。




「え―――」

 


自分の様子に戸惑っている理波ちゃんに、壱星をけしかける。



「行け、壱星」