白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】



「雅風。滝篠は知らないから、あと頼むぞ」
 


岳に言われて、俺は準備を開始する。



「壱星、行くぞ」



「どこへだ? さっきから何があるのかさっぱりなんだが……」



「いいから来い。さっさとついて来い。じゃないと滝篠教授の小間使い辞める」



「……雅風性格悪い」



「何とでも言え。ほら」
 


壱星の手を引くなんてうすら寒い真似はしたくないので、目線でついて来いと示す。



壱星は何が何だかわからない顔でついてきた。