「雅風。滝篠は知らないから、あと頼むぞ」 岳に言われて、俺は準備を開始する。 「壱星、行くぞ」 「どこへだ? さっきから何があるのかさっぱりなんだが……」 「いいから来い。さっさとついて来い。じゃないと滝篠教授の小間使い辞める」 「……雅風性格悪い」 「何とでも言え。ほら」 壱星の手を引くなんてうすら寒い真似はしたくないので、目線でついて来いと示す。 壱星は何が何だかわからない顔でついてきた。