ふと見上げた時計は、十一時三十五分を廻ったところだった。 「やべ。委員長! ちょっと」 俺はお客の統計を取っていた五組の委員長を呼んだ。 「なに? 雅風」 「岳(たけ)、悪いんだけど――」 言いかけると、ふと岳も時計を見た。 「あー、時間だな」 そう言えば、あれは五組には話がつけてあるのだ。