「自分にないものだからって、他人に要求するとか、違うよな」 「………」 壱星は、俺とは違う。 親を信じている。 亡くなっているから、叶えられることはないけれど。 「壱星は……家族で、生きてきたかったんだな……?」 恋に死んでしまうほど愛し合っていたのだろう両親と、生きていたいと―― 「……ああ。雅風の言う、普通の感覚だよ」 普通に、生きていた。 壱星は、俺なんかよりずっと――普通に憧れて普通に生きていた。 ……浮気というのは、それこそ罰を伴う罪のように。