最後の日、俺はもう理波ちゃんが傷つけられたことでパニックだったけど、だからこそ正面切って怒鳴りつけた。 なのに、その相手を憶えていない。 あの瞬間、離人症が――俺は叫ぶ俺を、どこか遠くから、他人を見るように眺めていた感覚だった。 ……陥っていたと、思う。 「どうしても、そう思えないんだ。……ごめん。どうしたって俺は、あの二人に帰ってきてほしいと、思えない……」 「そう、だよな……」 壱星の声から、覇気がなくなっていた。