滝篠は嘯くように俺の言葉を繰り返した。 そして、視線が上を向いて――また、合った。 あ、光の色が違う。 さっきまでのガラスみたいな冷たさが、ない。 「すごいな、未渡。……俺には出来なかった」 「え」 俺には出来なかった……? 滝篠に出来ないことなんてないだろう? 勉強もスポーツも完璧野郎なんだから。 言葉の意味がわからずぼけっとしている間に、滝篠は行ってしまった。 「雅風ーっ、何してんのー」 「うおっ」