少し首を傾げ視線を下げた滝篠に心の中でツッコんだ。 確かに『俺』って多すぎると思うけど、大して難解な言い回しでもないだろう。 俺は、いつの頃からは憶えていないから大したきっかけはないんだろうけど、自分の存在はこうあるべきだと決めた自分を立てて、そうなっただけだ。 子供が将来なりたいもの、を想像するような要領だったと思う。 ただ俺はそこに、職業とかじゃなくて自分に性格や人格を当てはめて考えていた。 「……『俺の決めた俺』――か」