「ああ。俺があそこにいたら、また理波ちゃん戻ってきちまう。
知り合いは多い方だと思うから、どっからか伝手頼ってアパートでも探す。バイト探して食い扶持も稼ぐ。
当面は何とかなるくらいは蓄えあるしな」
ああいう家庭環境だったから、毎月銀行に振り込まれる生活費から、二人で無駄遣いはせずに貯金しておいた。
「ふー……」
「刹那が心配そうな顔するなって。大丈夫」
いつもの勢いの失せた刹那。
雨に濡れた子犬みたいにしょぼくれている。
そんな淋しい顔するなって。
何となく手を伸ばして、刹那の頭を撫でた。
気分的に、わんこにしているみたいだ。



