白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】



刹那が泣きそうな顔をしている。



必死に、どうにか俺たちの形を修復してくれようとしている。


でも、ごめん……復元する形も、俺たちには最初からないんだ。





「雅風、祖母君は……」



「亡くなった。祖父が逝って、少ししてから。だから俺の今の話も、理波ちゃんから聞いたことだ。

ま、全部本当だって確証はあるよ。必要だったら見せるも聞かせるも出来るけど」



「いや、そこまでは、いい」
 



それきり、空気が重く落ちた。



壱星は何かを考えている風で、刹那は……顔を俯けているばかりだ。



……一瞬、泣きそうだったのが見えた。