白い闇に囚われてー刹那の風花ー【完】



浮き上がっていた腰が座布団に落ちた。


膝の上に乗った手が、拳になる。
 



理波ちゃんは……いつだって俺を育ててくれた人で、姉で、母で。





「……俺、ネグレクトだったんだ」
 



誰かに話すのは、初めてだ。




「は? 何、ふーいきなり」



「育児放棄か?」
 



刹那の声は意味が分からないと言っていたが、壱星は揺れない声で返して来た。